消化器外科は悪性疾患である食道癌、胃癌、大腸癌、肝癌、胆管癌、膵癌などを中心に、一般外科、救急医療を行っています。標準的な手術を受けられる患者様に対してはクリニカルパスに従って治療を施行しています。そのため治療の内容、手術後の経過などが理解しやすくなり、入院期間の短縮にもつながっています。さらに、救命救急センターと連携し、急性疾患(急性虫垂炎、急性胆嚢炎、消化管穿孔性腹膜炎、ヘルニアかんとん)や腹部外傷などの救急医療にも対応しています。
消化管の早期の癌であれば内視鏡切除、特に胃癌、大腸・直腸癌では腹腔鏡による手術も積極的に取り入れその適応を拡大しているところです。
腹腔鏡での手術は患者様にとってはキズが小さく、体にかかる負担の少ない手術ですが、外科医にとっては経験、技術を要する手術であるため、安全確実に行うには十分なトレーニングが必要となります。当科では十分に経験を積んだ医師を中心に若いスタッフの教育にも力を入れ、常に最新で最良の手技や機械器具を導入し安全に施行できるよう心がけています。
転移性を含め原発肝臓癌については手術治療のみならずラジオ波による熱焼灼療法などを内科と協力して実施しています。
高度進行癌については手術的治療とともにエビデンスに基づいた化学療法、さらに放射線科医の協力のもと放射線治療など集学的治療を施行しています。
後期研修医など若手医師への教育にも特に力を注ぎ、救急科、乳腺外科、呼吸器外科、心臓血管外科へのローテーションを行い幅広い症例を十分に経験できる体制を作っています。