3人の主治医で安心・質の高い診療を
乳がんの治療と経過観察は5年から10年続きます。
この長期間、初期治療をおこなったがん診療連携拠点病院と地域の「かかりつけ医」が、同じ診療方針のもとに共同で治療に携わる仕組みが始まりました。患者さんを中心に、情報交換を行い、よりよい医療と安全を提供することが目的です。情報交換のために作られた「診療計画書」が地域連携クリティカルパスです。
長い治療期間の間には、いろいろな変化が予想されます。
乳がんに関係のない体の不調も起きるかもしれません。高血圧や高コレステロール血症など内科の病気をお持ちの方も多く、併せて治療が必要となることが増えています。
また、適正体重を維持する 食事や運動に気をつける 薬の副作用について知っておくなど、患者さんご本人にしかできないこともたくさんあります。
3人の主治医とその役割は、
患者さんご本人:体調の把握と記録
かかりつけ医:日々の診療と検査・処方 心のケア 一般の検診
拠点病院担当医:急性期診療と節目の診察・検査
これからの毎日を「あなたらしく、健やかに暮らしていく」のが共通の目標です。
乳がんの術後は、急に状態が変化するようなことは滅多に起こりませんが、そのようなときに素早く対処するためにも、かかりつけ医での情報が大変役に立ちます。
また、この仕組みを利用することで、病院の待ち時間が減ったり、受診された方のお話を十分伺う時間がとれることも併せて期待できます。
それぞれの方に合わせた連携パスを作成しますので、担当医・コーディネーターと十分に話し合いをしましょう。
これから 健やかに暮らすという目標のために、ご理解とご協力をお願いいたします。