当科は昭和35年の開設以来、入院機能を持つ総合病院精神科として半世紀の歴史を刻み、地域精神医療の発展に寄与してきました。
「21世紀は心の時代」と言われるように、自殺増加に関連したうつ病対策や高齢化社会に伴う認知症問題等、国民の健康を守る上で精神医療の果たすべき役割が益々重要となってきましたが、地域医療~機能分化という視点で私たち総合病院有床精神科の果たすべき役割を見直して行く必要があります。
当科ではクリニックからの統合失調症・うつ病・ストレス性障害・認知症・アルコール依存症など多彩な精神障害に対する専門的診断や入院治療の受け入 れ、他病院からの身体合併症入院治療の受け入れ、救急外来からの入院治療の受け入れ等、「地域医療機関との連携」を大切にするとともに、院内においては他科入 院中に生じる精神変調への治療援助(リエゾン精神医療)や緩和医療におけるメンタルケアを積極的に行い、院内外の多様な要請に対し「チーム医療による質の 高い精神医療」を提供しています。
皆様方のご支援により平成24年6月から新病棟に移転しました。南側に面し大橋川・宍道湖を眺望できる明るい病棟となり、個室も5床用意しまし た。自由で開放的な療養環境(開放病棟)であり、気軽に声をかけて頂けるようナースステーションもオープンカウンターとしました。また、少しでも自然を感じ心和んで頂けるようデイルームにはテラスを併設し、紅白のハナミズキとともに四季折々の草花を観賞して頂くことができます。
患者さんの回復する力を大切に、家族と協力しながら、患者・家族・医療者が三位一体となった入院治療を目指しています。
また、当院は研修指定病院であり、将来の医療を担う医学生・初期臨床研修医が当科でも数多く実習・研修していますが、学ぶ人の主体性を尊重し、「心で感じ、自ら考え、行動し、共に自己成長できる」実習・研修を心がけています。
これからも「患者・家族の心に寄り添う医療」の伝統を守り、総合病院有床精神科として地域精神医療の中核的役割が果たせるよう、職員一同力を合わせ頑張って行きたいと思います。
*初診の方で紹介状のある方はご持参ください。
*現在他の精神科もしくは心療内科に通院中の方の転医(通院)は、基本的にお断りしています。
*午前中は大変混み合っており、お電話でのご相談は14~16時頃にいただけるとつながりやすくなります。
昭和53年5月に発足、初めてのミーティングで「榧の実会」と命名され、当科の医師、ケースワーカーのサポートのもと活動しております。
松江赤十字病院家族会は、教育や語りによって家族を支えることを目的に、病院が主体となり発足しました。当科に通院中または入院中の方のご家族で毎月1回定例家族会を開き、医療側といっしょになって病気とその治療等についての理解を深め、治癒の促進や社会生活の進め方などを学習したり語り合ったりしています。
上田 優子(うえだ ゆうこ)
板垣 礼美(いたがき あやみ)
精神科外来にあるケースワーク室にて相談をお受けしています。福祉に関する法律や制度、サービス、その他何でもお困りのことがあればご相談ください。皆様のよりよい生活のためにご支援したいと思っています。