
院長 秦 公平(はた こうへい)
昨年8月30日の衆議院選挙の結果、民主党が圧勝して政権交代がおこりました。医療界では、小泉内閣以来の医療費の自然増を毎年2200億円削減するという医療政策のために、非常に苦しい病院経営を迫られ、多くの病院(特に中小規模の病院)が赤字経営となりました。民主党政権に変わってどう変化するのか注目の的でありましたが、今年は診療報酬0.19%の増ということになりそうです。医療関係者はこれから中医協の議論に注目し、今年の診療報酬改定について3月の厚労省の発表を待つことになります。
さて、島根大学の今年と来年の医学部卒業予定者には、島根県出身者が少ないようで、今後数年間は、県内に残る研修医は少ないであろうと予測されます。また既に医師免許を持った医師の県内の病院への定着も多くはありません。開業やリタイアを考えるならば、病院の医師が増加する可能性は当分の間少ないのであろうと覚悟しておく必要があります。いつになったらこれが解消されるのか、誰も明確な答えを持っていないのが現状です。従って喫緊の課題として、病院の勤務医不足にどう対処するのか、島根県の医療崩壊を食い止めるにはどう行動すべきかを、医療を受ける県民を含んだ議論で解決法を考えていかねばなりません。島根県は西部地区の医療崩壊の危機に対してドクターヘリの運行を計画していますが、まだ2年ほど先のことになると思われます。今冬は例年にはない新型インフルエンザの流行やワクチン接種などで、今までよりさらに病院の負担は多くなってきており、職員の疲弊感は強くなっていて危惧しています。
新病院のことを少し触れておきますと、高層棟(呼び名を検討中です)は昨年の年末に完成し、屋上にヘリポートをいただいた、高層棟の全貌が明らかとなってきました。今年の2月末に移転・部分開業致します。高層棟への移転後、続いて南側の新館を取り壊し、6階建ての外来・管理棟を建て、最後に本館を壊して公開空地とし、平成24年に完全竣工となります。院内職員に高層棟、低層棟のネーミングを募集し、選定の最中であります。まだまだ時間のかかる長い工期であり、その間、患者さんやご家族の方には大変ご迷惑をおかけしますが、当地域の医療向上のために職員一同努力を続ける所存でありますので、何卒宜しくご配慮の程、お願い申し上げます。
